ブラフはポーカーの醍醐味。
上手くブラフしてポットを獲得した時は、「してやったり」気分で思わずにやけて(ライブポーカーならテルでばれそうですが)しまいます。
しかし反対にブラフを見破られたときは、「あっちゃ~」とがっくりするもの。
また、相手がブラフしているのではないかと思いつつも、あまりにリスクが大きすぎて無念にもフォールドすることもあるでしょう。
時には相手のブラフを見破り、相手に悔しい思いをさせることもあるはずです。
皆さんの中には「ブラフをキャッチした」なんていう表現を聞いたことがある方もいらっしゃるのでは?
【ブラフキャッチ】とは相手のブラフをキャッチする(捕まえる)こと。
【ブラフキャッチャー】とは、相手のブラフには勝てるけれど、バリューハンドには勝てないハンドのことを指します。また、ブラフをよく見破る人の事をこう呼ぶこともあります。
もともとオーバーペアを持っている際に、相手のセカンドペアのベットにコールして勝つのは【ブラフキャッチャー】ハンドとは言いません。
分かりやすい例えは、ボードが Q-10-6-2-2 の時にあなたがポケット9を持っていて相手のベットをブラフだと思ってコールし、相手のハンドが6のペアの場合、もしくはA-KやA-Jだった場合、あなたのポケット9はブラフキャッチャーです。
そして相手のブラフにコールし、ブラフをキャッチしたことになります。
さて、ここでは【ブラフキャッチャー】ハンドと【ブラフキャッチ】する方法について考えてみましょう。
ブラフキャッチの概念はテキサスホールデムやオマハなど、ほとんどのポーカーゲームで役立ちます。
そして、ブラフキャッチの場面が頻繁に見られるのはリバーです。
相手がハイカード、もしくはボトム/セカンドペア、ドローハンドがミスした(完成しなかった)際など、自分のハンドより相手のハンドが劣ると読んだ際に相手のリバーベットにコールしてブラフを捕らえます。
中にはブラフを多用するプレイヤーがいるので、そんな相手に対し通常はフォールドするハンドもブラフキャッチャーを使ってポットを獲得し、利益を生むことができます。
勝てる自信が持てないハンドでポットを獲得できた時の嬉しさは一際。
だからといってリバーで相手のベットにコールしまくっては、チップはすぐに底をついてしまいます。
正確に相手を読むには、プリフロップでのアクションから現在の状況までさかのぼる必要があります。
そんな質問を自分自身に問う必要があります。
それまでに相手がどんなハンドでプレイしているか、どんなプレイの仕方をしているかを観察しておく必要があります。
ブラフキャッチできるかどうかは、相手のことをどれだけ知っているかにかかっていると言ってもいいでしょう。
また、ブラフを試みる際に重要なのは、ブラフキャッチが好きなプレイヤーや何でもコールするような相手、ショートスタックで勝負に出たような相手にブラフをかけないようにしましょう。
ブラフキャッチャーはブラフしている相手にのみ有効です。
タイトなプレイヤー、ABCプレイヤーがリバーでベットした場合、ブラフキャッチャーでは勝てないと思った方が良いでしょう。
そもそもブラフの目的は、相手をフォールドさせることにあります。そのため、勝てそうにないハンドでブラフはよく使われます。
相手が過度なレイズをしたりマニアックにアグレッシブな場合、フォールドさせようとブラフしている可能性が大いにあり、そんな場合にはブラフキャッチャーでコールすることが有効です。
ポットオッズは相手がブラフかもしれないと疑っている際、コールするかどうかを決定するのに役立ちます。
例えば、あなたは T♣ T♠ のハンドでボードが 2♣ 8♦ Q♥ 7♦ 7♣ だとします。
相手はプリフロップでレイズし、あなたはコール、フロップとターン共に相手のベットにコールしました。
ポットは$100、そしてリバーで相手は$50をベット、この場合、$150のポットを勝ち取るためにあなたは新たに$50をベットする必要があり、3:1のポットオッズとなります。
あなたは相手がブラフをしているのではないかと疑っていますが、AA、KK、JJ、A-Q、K-Q など、あなたより強いハンドを持っている可能性もないとは言えません。
相手がブラフをしている可能性を正確に計算することはできませんが、大まかな推定はできるでしょう。
ここでは少なくとも3分の1くらいの確率でブラフをしていると想定すると、相手にコールするのに必要な勝率は25%(以下の表参照)なので、3:1のポットオッズはあなたにとって有利となり、価値のあるコールをすることになります。
相手のベット | ポットオッズ |
コールに必要な勝率
|
1/2ポット | 3:1 | 25% |
2/3ポット | 5:2 | 29% |
3/4ポット | 7:3 | 30% |
ポット | 2:1 | 33% |
ポットの2倍 | 3:2 | 40% |
ブラフを成功させるには、賢いベットサイジングやブラフに至るまでの論理的なストーリー、一連のアクションを見せる必要があります。
これらが理に適っている際、ブラフの成功率を高めることができます。
プリフロップから良いハンドを持っているとアピールし、プロップでトップペアがヒット、もしくはそれ以上のハンドを持っていると感じさせるベットサイジングと一連のアクションがある場合、ブラフの「信憑性」が高まります。
しかしこれらにつじつまが合わないプレイの仕方をしている場合、ブラフキャッチは容易です。
たとえば、プリフロップでリンプした相手にレイズしたとします。それまであなたはタイトなプレイをまわりに見せてきました。
相手はコールし、プロップはK♦ T♦ 8♣ となり、相手はチェック。
あなたは A-T を持っていて、セカンドペアとなり3BBをベット。相手がコールしてくる場合、フラッシュドローかな、と考えるのでは。
ターンで 4♣、相手は再度チェックコールし、リバーで 3♣ が現れるとポットの2倍の額をベットしてきたとすると、フラッシュでもない、3のペアだとしたらリバーまでコールで追いかけてくることもない、Kを持っているならフロップでベットしているはず。
そんな場合、ブラフキャッチャーが有効な時です。ほとんどの場合、相手は8のペア、もしくは T のペアでキッカー勝負になるかもしれません。T-3 や 8₋3ではプリプロップでレイズにコールはしないでしょう。
他にも、フラッシュが考えられるボードの際、リバーでフラッシュを装ってブラフする人たちもいますが、それがオールインだったりすると怪しく感じます。
本当にフラッシュなら、こちらにコールさせようとそんな大げさなベットはしないはず。
このように、ターンやリバーで急に「ブラフをしよう」と決めたようなストーリー性のないブラフをすると、すぐにブラフキャッチされてしまいます。
中にはブラフしないプレイヤーもいるかもしれませんが(ダニエル・ネグラヌもブラフは滅多にしないそう)、大多数のホールデムプレイヤーはブラフを使います。
ノーリミットホールデムで勝つには、良いスターティングハンドを待ってプレイするだけでは長期的に利益を得ることができないことを、多くのプレイヤーが知っているからです。
ブラフをうまく使えば、ゴミハンドでも勝てるのです。
また、ブラフをした時にあえて相手に見破らせておいて、本当に強いハンドを持っている時に相手にコールさせることができます。
一方、ブラフを見破り、正しいコールをすることもノーリミットホールデムプレイヤーにとっては必要なスキルです。
特に初心者にとって「ブラフキャッチ」のスキルは最も難しいスキルの一つかもしれませんが、プレイを重ねれば重ねるほどブラフキャッチャーで勝てる場面を見抜くことができるようになるでしょう。
ワタクシもブラフを見抜かれたり、相手はブラフしていると読み間違えることがまだまだあります。
1回1回のプレイが勉強だと思い、トレーニングに励みましょうね!