初心者がまず疑問に持つ「どのハンドでプレイすべきなのか」に関しては、「ハンドの絞り方:初級者編」でお伝えしましたが、今回は初心者レベルを脱出した中級者さんへ、ハンドをプレイする前に考えなければいけない6つの要素について述べてみます。
強いとはいえないけれど悪くないと思うホールカードが配られ、リンプしたのはいいけれどBBにレイズされてフォールド、なんていう場面をよく見かけます。
レイズされてフォールドするくらいなら、はじめからフォールドしておいた方がマシです。チップの無駄遣いになってしまいますからね。
そんなチップの無駄遣いをしないためにも、ハンドをプレイする前に6つの要素を確認しましょう。
プロプレイヤーなら必ず、コール/レイズ/フォールドする前に、これらの要素を考慮してプレイしています。
そのスターティングハンド、ホントにプレイすべきハンドなのかを見極めましょう!
まず第一に考える要素は、配られた2枚のホールカードの価値だということはいうまでもありません。
A‐Kやポケットペアが勝率の高いスターティングハンドなのは、みなさんご存じでしょう。
反対に 7‐2 や 3‐8 といったスターティングハンドはフォールドするはず。
しかしプロともなれば、状況(相手やスタックサイズ、ポジション)を考慮し、ゴミハンドでもプレイすることはあります。
フィル・アイビーが 7‐2 で大胆なブラフをし、相手をフォールドさせた動画を見たことがありますが、 7‐2 のゴミハンドでも状況を見て初めからブラフで相手をフォールドさせようとプレイしていたのが分かります。
スターティングハンドの価値を知るのは簡単な事ですが、「悪くないカード」が配られた時には、スタックサイズなどの要素も考えなければなりません。
ハンドの価値は重要な要素ですが、それは1ハンドの単なる出発点でしかありません。
次に、というよりはスターティングハンドと同時に考慮しなければならないのがポジションです。
初心者はポジションをあまり考慮しない傾向にありますが、実は重要なポイントなのです。
ポジションによって、さらには人数によってハンドの強さは変わります。
A‐K やポケットK、ポケットAといったハンドならどのポジションからでもレイズすることはできます。
また、フルリングのレイトポジションで前のプレイヤー達が皆フォールドした場合には、KハイやQハイといったハンドでもプレイ可能となりですが、アーリーポジションからプレイするには自信の持てるハンドではなくなります。
後に続くプレイヤーが A‐K や A‐Q を持っている可能性がありますからね。
9‐8などのスーテッドコネクターも、前のプレイヤー達がフォールドしたレイトポジションならプレイしてもいいハンドかもしれませんが、アーリーポジションからだと後に続くプレイヤーが大きなベットをした際に、コールするには危険なハンドとなります。
相手のレイズに直面した場合、その後のストリートでのプレイの仕方もポジションによって変わることを忘れてはなりません。
スタックサイズによって、プレイの仕方は異なりますね。
相手のスタックサイズによっても、プレイの仕方は変わります。
トーナメントでよく見かけるのは、スタックが平均スタックを下回った際にプリフロップでオールインし続け、皆をフォールドさせてカムバックするパターン。
しかしこれは、ビッグスタックが後に続く場合は要注意です。容易にコールされてしまう可能性があります。
あなたの後に続くプレイヤーが、あなたのオールインに対してどうするかを予測して行う必要があります。
ビッグスタックがいる場合、コールされた場合にせめて勝ち目のあるハンドを持っていることが大事です。
ショートスタックになると、ブラインドスチールするか良いハンドが配られるまでダブルアップの機会を待つことになります。
反対に、ビッグスタックがアグレッシブにアーリーポジションからオールインするのも危険です。良いハンドを持ったショートスタックが、ダブルアップを狙ってコールしてくる可能性があるのをお忘れなく。
例えば・・・
ポジションがボタンの時、 J♣ T♣ というカードが配られたとします。
ストレートもフラッシュも期待できるしポジションも良い、皆がフォールドしたらレイズしてブラインドスチールするかな、と考えていたら、ミドルポジションのプレイヤーがオープンレイズしました。
このくらいのレイズならコールして、フロップのカードによってブラフするか・・・と考えます。(ワタクシの思考ですが)
すると、レイトポジションからリレイズが。
ミドルポジションのプレイヤーはAがらみのハンド、もしくは中程度のペアかもしれない・・・リレイズしたプレイヤーは、その自信から A-K、A-Q、もしくはJ以上のポケットペアかも・・・
相手は自分よりスタックを持っているし、フロップでAやKが出たら、どちらかが大きくベットするだろうな・・・そのリスクを考えると、J♣ T♣でリレイズにコールするのは危険か・・・ここはフォールドしておいた方がリスクも負わずチップも失わない・・・
とワタクシは考えます。
リレイズは「俺は良いハンド持ってるぜ」のアピールです。もちろん、ブラフの可能性もありますが、その相手はブラフをするタイプかどうかを観察しておく必要があります。
相手のアクションからハンドレンジを推測する際、その相手はどんなプレイヤーかを考えなければなりません。
例えば前の章で述べた状況で考えてみましょう。
J♣ T♣ のハンドを持っている際、オープンレイズしたミドルポジションのプレイヤーとリレイズしたプレイヤーがタイトなプレイヤーなら、A-J 以上、J以上のペアを持っている可能性が高く、リスクを負わずフォールドするでしょう。
しかしレイズしたプレイヤーがルーズアグレッシブなプレイヤーで、リレイズしたのが「ポーカーは度胸」と思っているようなマニアックなプレイヤーだとしたら?
またはバッドビートに続けて見舞われ、やけになっているようなら?
コールするか、ビッグスタックなら4ベットをすることも考えるでしょう。
相手のプレイスタイルや感情の状態によって、あなたのプレイするハンドとプレイの仕方も変わるはずです。
また、相手があなたのことをどんなプレイヤーと見ているかも考えましょう。
タイトなプレイヤーだと思われているなら、4ベットするとフォールドしてくれる可能性もあります。
ブラフをよくするプレイヤーだと見られているなら、オールインで反撃される可能性もあります。
あなたのスタックは50BB、ポジションはボタン、Q-9o のハンドで前のプレイヤー皆がフォールドしたので、ブラインドスチールしようとオープンレイズしたとします。
すると、SBが20BBをオールイン。あなたはどうしますか?
もしハンドが T-9s で同じ状況に陥ったらどうしますか?
あなたがアクションを行い、後に続くプレイヤーがどんなアクションを起こす可能性があるかを考え、各シナリオに対する対処の仕方を考えておくことが重要です。
3BBまでならコールしよう、オールインにはフォールドしよう、というように。
同時に、多くの可能性を考慮したうえでアクションを選択する必要があります。
リンプしてレイズされたらフォールドするのなら、リンプせずにフォールドする方がチップの節約になります。
ほとんどの場合、リンプするプレイヤーに対して中級プレイヤーにもなればアグレッシブに攻撃するものです。
戦略としてリンプするのは良いですが、とりあえずリンプしてフロップを見てみよう、という理由では勝ち目はありません。
ハンドをプレイするかどうかを決める際に以上の6つの要素を考えると、レイズされてもコールする覚悟ができているハンドをプレイするのがベスト、ということになります。
しかし良いハンドが配られるのを待っていたのでは、ブラインドとアンティでスタックはどんどん小さくなっていきます。
そうならないためには、スタックサイズを考えながら何処かのタイミングでアクションを起こす必要があります。
そのタイミングを見つけるのも、この6つの要素を考慮すれば正しいタイミングが見つかるはず。
そしてそのハンドをプレイすると決めたら、どのようにプレイするかを考え、自信を持ってプレイしましょう。
とはいえ、相手が自分より強いハンドを持っていると感じたら、早めにフォールドすることも大事です。
これまで強気でベットしていたのに今更引っ込みがつかない、とボトムペアでベットし続けたり、フォールドしそうにない相手にベットし続けるのは間違いです。
間違いに早く気付くこともとても重要なポイント。
考慮しなければいけない要素の多いポーカーですが、プレイを重ねるとこれらの要素は素早く確認できるようになります。
以上の6つのポイントを考えたうえで、そのハンドをフォールドするか、コールするか、レイズするかを決めてくださいね♪