ポジションを簡単に説明すると、「プレイヤーがアクションをする順番」のことですが、このポジション、実はポーカーにおいて最も重要な概念の一つなのです。
しかし、多くの初心者プレイヤーが完全に無視しているポイントでもあります。
最初にアクションをするプレイヤーは【アウトオブポジション】と呼ばれ、最後にアクションするプレイヤーは「インポジション」と呼ばれます。
インポジションでプレイする場合、先にアクションを起こしたプレイヤーたちの情報を得ることができ、ポットの大きさをコントロールできるためプレイの上で有利となります。
ポジションはプリフロップとポストフロップの2つのシナリオがあり、プリフロップのベッティングラウンドではブラインド、アーリーポジション、ミドルポジション、レイトポジションに分かれたどれかのポジションでのプレイとなります。
また、それぞれのシート(席)には名称があり、トーナメントのハンド解説やストラテジーのページでもポジション名称やその略語で説明されていたりするので、覚えておくと良いでしょう。
ポストフロップでは実際のシートは重要ではなく、最初にアクションする場合は「アウトオブポジション」、後にアクションする場合は「インポジション」、2人以上のプレイヤーがポットに参加している場合はその中間となります。
プリフロップでアーリーポジションからプレイした場合、ポストフロップではアウトオブポジションになる可能性が高く、レイトポジションからプレイした場合は、ポストフロップもインポジションでプレイとなる可能性が高くなります。
戦略を大きく左右する重要な要素となるポジション、その重要性を学んでいきましょう!
👩🏫合わせて読もう!初心者がよく犯すNGプレイとは
各シートには固有の名称があり、ポジションによってプレイするハンドのレンジも変わります。
何人のプレイヤーがテーブルにいるかによってポジションも多少異なりますが、まずはフルリング(9人制)を例に説明します。
先に述べたブラインド、アーリーポジション、ミドルポジション、レイトポジションの4つのカテゴリーをさらに細かく分けた名称が以下の表となります。
名称は頻繁に略語でも使われるので覚えておきましょう。
SB(スモールブラインド)とBB(ビッグブラインド)が強制ベットを置いた後、最初にアクションを起こさなければならないシートが「UTG(アンダーザガン)」です。
「銃口を向けられている」ような、プレッシャーのあるポジションなのでこの名称が付きました。
9人テーブルでは、UTGの後にアクションを行うプレイヤーが8人います。
そのため、6~T程度のコネクターハンドなどでリンプ(BBと同じ額をベット)したのはいいものの、後のプレイヤーがプレミアムハンド(AA~JJやAK, AQなど)でレイズされる可能性が高いのです。
そうなった場合を考え、プレイするカードを慎重に選ぶ必要があります。
もう少し詳しく説明すると、UTGから66でリンプしたとします。
他のプレイヤーの中に77以上、AJs以上、KQs、AQo以上、KQoといった強いハンド、あるいはプレミアムハンドを持っている確率を考えてみましょう。
これらのハンドは全ハンドの7.5%にあたり、テーブルの人数が多いほど当然強いハンドを持つプレイヤーの確率も高くなります。
テーブルのプレイヤー数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
77+、AJs+、KQs、AQo+、KQoを持つ確率 | 8% | 14% | 21% | 27% | 32% | 37% | 42% | 46% |
相手が8人いる場合、ほぼ50%の確率で良いハンドを持っている人が存在することになります。
そんな相手が大きくレイズ、またはオールインした場合、ポケット6の勝率は37%です。さぁあなたはどうする?
ここでフォールドするのなら、初めからリンプしない方がチップの節約になります。
つまり、アーリーポジションからプレイする場合、良いハンドを持った相手と戦う強いハンド、そしてスキルが必要です。
EPもUTGに比べると後にアクションするプレイヤーが一人少ないだけなので、ほぼ同じことが言えます。
アーリーポジションからリンプ、レイズする場合は、後にアクションを控えたプレイヤーのことも考え、ハンドを慎重に選んでプレイしましょう。
ミドルポジションではアーリーポジションに比べるとハンドのレンジは少し広がるものの、ハンドの選択は慎重に行う必要があります。
アーリーポジションがフォールドした場合、ポストフロップでアウトオブポジションになることが高い可能性も考えてハンドを選びましょう。
後のプレイヤーのアクションを考えなければいけないのは当然ですが、アーリーポジションからオープンレイズがあった場合なども慎重に判断しなければなりません。
MPに続くレイトポジションは、ハイジャック、カットオフ、ボタンの3つのシートを表します。
これらの各レイトポジションは戦略にも大きな違いがあるため、それぞれのポジションに個別の名称があります。
初心者さんがこれらのポジションの名称を全て覚えるのは大変かもしれませんが、アーリー、ミドル、レイトと覚えておいて、後は自然に覚えてくるものです。
ハイジャックのオープニングレンジは約19%、MPの12%よりも多めのハンドをプレイすることができますが、真にレンジを広げることができるのはカットオフとボタン。
カットオフでは26%程度のハンドをオープンすることができ(適切)、ボタンではエニーA(Aがらみのハンドからどれでも)など、45%近いハンドをオープンできます。
ブラインドスチールもしやすいシートですね。
レイトポジションからオープンできるハンドレンジが広がる理由は、前のプレイヤーたちが全てフォールドした場合、アクションを起こす残りのプレイヤーが少ない(カットオフなら3人、ボタンなら2人)ため。
ボタンの場合は特に、アクションを起こしたとしても相手となるのはブラインドなのでインポジションを取ることができます。
その後ポストフロップをプレイする際もボタンは常に後でアクションを行うことになるため、ポーカーテーブルの中では最も有利で収益性の高いポジションでもあります。
他のポジションと少し異なるのがブラインドです。ブラインドのプレイヤーは、カードを確認する前に「強制ベット」を置かなければなりません。
つまり、ポットにブラインド(盲目の)マネーを入れることになるのでこの名称がついています。
ブラインドでプレイする場合、最初にオープンレイズできるわけではなく、強制ベットを置いた後、他のプレイヤーのベットに反応することになります。
スモールブラインドはポストフロップで常に最も少ない情報でアクションを行うことになるため、最も不利なシートであり、ビッグブラインドと共にテーブル上で最も収益性の低いシートとなっています。
だからといってブラインドでは勝てないというワケではなく、すでにポットにブラインド額を投入していることで相手のレイズにリレイズする機会があり、ポジション的に不利ではありますが、プレイの仕方によっては少なからず利点もあります。
一般的に6-maxテーブルではそれぞれのポジションから人数が減り、フルリングよりアグレッシブにプレイされます。
人数が多いほど慎重にカードを選んでプレイしなければなりませんが、6人の場合レンジ(プレイ可能なハンドの範囲)も広がり、フルリングほどフォールドする回数が減ることでしょう。
相手とのスキルの差が大きければ大きいほど、6-maxのゲーム構造は良いと言えます。
その理由は、テーブルにフィッシュがいた場合、フィッシュを他の4人のプレイヤーで分け合うことになりますが、フルリングでは、他7人とフィッシュを分け合うことになります。
フルリングでレイズする価値のあるハンドを持った時には、フィッシュはすでにスタックのほとんどを失っていることも。
また、フィッシュのチップを狙ってレイズしたものの他に強いハンドを持ったプレイヤーとの危険な対戦にもなりかねます。
このように、フルリングとショートハンドテーブルではプレイの仕方とプレイ可能なハンドレンジも変わることを初心者さんは学んでおきましょう。
👩🏫ヘッズアップではさらにハンドの強さは変わる!ヘッズアップストラテジーとは
ワタクシ自身もそうでしたが、ポーカーを始めたころはポジションによってプレイするハンドのレンジを考えていませんでした。
どのポジションでも同じハンドの基準でプレイしていたように思います。
ポーカーをだんだん理解し始めると、ポジションによってプレイするハンドのレンジを変え、テーブルの人数によっても変え、相手によっても変えるようになります。
ポジションを理解しているだけで長期的に勝てるプレイヤーになるわけではありませんが、ハンドをプレイする前に常に考慮すればチップを無駄にすることは減るでしょう。
プロはポジションの重要性を理解し、ポジションによってプレイや戦略を変えます。
これまであまりポジションを気にしていなかった方は、それぞれのポジションの特徴を今一度考えてみましょうね♪