レッドブルのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンが優勝争いを繰り広げたアブダビGPで、レースディレクターのマイケル・マシの判断に上訴の意思を表明していたメルセデスですが、訴えを取り下げることにしました。
ハミルトンはアブダビGPで1周目からレースをリードし、史上最多となる8度目の世界チャンピオンを獲得する勢いでした。
しかし残り数周でニコラス・ラティフィがクラッシュするとセーフティカーが導入され、ハミルトンとフェルスタッペンを隔てていた周回遅れの5台のマシンはハミルトンとセーフティカーを追い越すよう指示され、フェルスタッペンは消耗したタイヤで走っていたハミルトンにオープンアタックをかけることが可能になりました。
「これは間違っている!」とメルセデスのチーム代表であるトト・ヴォルフは叫びました。
レースはファイナルラップでフェルスタッペンがハミルトンを追い越し、優勝。 ヴォルフはマシの判断に無線で怒りをぶちまけ、抗議しました。しかしFIAはメルセデスの抗議を却下し、この決定を不服としてメルセデスは控訴する準備を進めていました。
ところが突然、メルセデスはこの控訴を見送ることにしたと発表。レース結果の変更をもはや追求しない、という大きな理由はハミルトンと相談してなされたもので、レース場の外で結果が覆されることを誰も望んでいない、ということのようです。
「抗議すること、控訴すること、そして控訴を取り下げることをルイスと一緒に決定した。」 とヴォルフは言います。
「ルイスだけでなく我々チームにとっても、世界選手権の結果を左右するレースであの決定を突きつけられるのはとても辛いことだった。しかし、誰もが法廷で優勝を決めたいとは思っていない。だからルイスにとってもチームとしても、不当な扱いを受けたからこそ、訴えを取り下げるのはとてつもなく苦しいことだった。」
ヴォルフとハミルトンは3月20日のバーレーンGPで2022年シーズンの開幕を迎え、リベンジを果たそうと考えています。
ニュースソース:https://www.foxsports.com.au/motorsport/formula-one/mercedes-boss-toto-wolff-flips-the-script-after-abu-dhabi-gp-radio-storm/news-story/751cc03f531e7062dd82ca52798b42e2