ツール・ド・フランスの第1ステージ、残り47キロ地点で起こった大会史上最悪規模の大クラッシュ。この事故は沿道にいたある女性観客が段ボール製のボードを持ち、コースに乗り出した際に起きました。
女性は選手たちとは反対にあるテレビカメラに向かってボードを掲げ、(ボードにはフランス語とドイツ語で「おじいちゃんおばあちゃん」「行け」と意味不明の文字が書かれていた)塊となって走り迫る選手たちを見ていませんでした。
そこへコースの幅いっぱいに走っていた選手たちの一人、ドイツ人サイクリストのトニー・マーティンがこの女性の腕とボードに真っ向からぶつかって転倒、後続の選手たち数十人も次々に転倒し、結果、選手1人が棄権、8人が医師の治療を受けることに。
事故をひき起こした女性は警察が到着した時にはすでに現場から去っており、この女性観客を追跡していました。その後女性は警察署に出頭し、他人の生命を危険にさらした罪に問われ逮捕。
女性は30歳のフランス人で、フランス北西部ブルターニュ地方のランデルノーにある警察署に留置されています。ブレスト検察庁によると、女性は最高2年の懲役と35,000ドルの罰金を科せられる可能性がありました。
しかし木曜、ツール・ド・フランスのディレクターは女性への起訴を取り下げ、「レース中の安全規則を皆さんにお知らせしたいと思います。観客は子供を抱きかかえ、ペットを抱きかかえ、不用意に道路を横断しないでください。そして何よりも、ライダーに敬意を払ってください。彼らこそがテレビの生中継にふさわしいのです」と語りました。