タイ警察は、女性連続殺人犯サララット・「アム」・ランシウタポーン容疑者が利用していたとされる違法オンラインギャンブルサイトに関係する14人を拘束しました。
4月にバンコクで逮捕された際、妊娠4カ月だった36歳のサララットは、金を盗むために青酸カリで少なくとも15人を殺害した罪に問われています。(6月下旬、流産したことが報じられました)検察は、ギャンブルでの資金を調達するために殺害したとみています。
捜査当局は、サララットが【Fun88】と呼ばれる違法オンラインカジノで3年間に7,800万バーツ(約3億2千万円)を費やし、時には1日1,000万バーツ(約4千万円)もの賭けを行っていたことを突き止めました。スラチャテ・ハクパーン副警視総監は、サララットのオンラインギャンブルによる借金は『巨額』であると述べています。
タイ警察はまた、14人の【Fun88】従業員を賭博とマネーロンダリングの容疑で起訴したと発表しました。21人の容疑者に逮捕状が出されていますが、7人は逃走中です。
タイでは、国民がギャンブルに参加することを禁じています(一部の公営ギャンブルを除き)が、それでもタイの成人人口の約70%が違法ギャンブルサイトを定期的に利用していると推定されています。
これは、法執行機関は違法ギャンブル運営者の摘発に重点を置いているため、オンラインギャンブルサイトを利用する国民が罰則を受ける可能性は低いことによるものです。
サララットに有罪判決が下れば、彼女はタイで最も大量の殺人を犯した連続殺人犯のひとりとなり、死刑になる可能性があります。
さらにサララットは、警察高官ヴィトーン・ランシウタポーン中佐の妻であることから世間の関心が高まっています。サララットの被害者のうち3人は、上級の女性警察官でした。
ヴィトーンは先週、サララットの弁護士と共に衝撃的に起訴されました。彼らは、証拠隠滅やサララットの処罰逃れを幇助した罪に問われています。
検察は、殺害は2015年に始まり、いくつかの県にまたがっていますが、そのほとんどはバンコク西部で起こったと考えています。被害者はともに裕福な20代から30代。サララットの手口は、ターゲットとなる人物と親しくなり、彼らの飲食物に青酸カリを入れて毒殺、時には漢方薬として毒を提供することもあったとされています。
サララットは、「友人」のシリポーンの死によって逮捕されました。サララットとシリポーンは仏教の守護儀式に参加するため、バンコクからラーチャブリーまで一緒に旅行している最中、シリポーンが突然倒れて死亡しました。その時サララットは傍観者になって助けようとせず、現場から逃走しました。
シリポーンの現金、携帯電話2台、ブランドバッグがなくなっており、検視の結果、彼女の遺体から青酸カリの痕跡が見つかりました。警察はサララットの自宅を捜索し、青酸カリの瓶を発見しました。
まもなく、サララットに出会った後に不審な死を遂げた人たちの親族による証言が次々と寄せられました。ある女性は、サララットに金を貸した直後に貰った「咳止め」を飲んで倒れたが、一命を取り留めたと主張しています。
サララットは複数の計画的殺人、窃盗、毒物混入など、計75件の罪に問われています。
画像:Thaiger/タイ王国警察
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