ゲーム業界と金融業界の両方が注目する新たな法廷闘争で、「オンラインギャンブルプラットフォーム」のStake.com/ステークは、オーストラリアの「株式取引プラットフォーム」Stakeからの著作権侵害訴訟に直面しています。
オーストラリア連邦裁判所に提訴されたこの訴訟は、Stake.comのブランド名が、株式取引プラットフォームのブランド名と混同を引き起こし、希薄化させる可能性があると主張しています。
Stake.comは、暗号通貨ベース(現在は法定通貨も利用可能)のオンラインカジノおよびブックメーカーとして知られ、キュラソーのライセンスを取得しているサイトです。世界中のカジノプレイヤーやベッターの間で人気がありますが、拠点としているオーストラリアでは、これまでサービスを提供していませんでした。
しかし最近、オーストラリアのギャンブル市場に足を踏み入れる準備を始めています。世界中で支持を得ているステークですから、論理的に考えても自然な次のステップであるように思われました。
ところが、シドニーの株式取引プラットフォーム「Stake」が、名前の類似性が問題になると訴訟を起こしました。両社とも2017年に設立されているため、どちらが勝つかを見極めることは厳しいといえます。オッズで言えば1.90/1.90といったところでしょう。
オンラインギャンブルサイトでない方のStakeは、様々な株式や証券に投資するプラットフォームをユーザーに提供しています。同社のウェブサイト「hellostake.com」によると、このプラットフォームはユーザーフレンドリーなインターフェースとアクセスのしやすさで評価を得ており、主にオーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、英国でのブローカー活動に焦点を当てています。
顧客基盤が拡大し、「オーストラリアで最も急成長している企業のひとつ」である株式取引プラットフォームStakeの法律代理人は、オンラインギャンブルプラットフォームのブランディングは、両社が異なるサービスを提供しているものの、消費者に両社が提携している、あるいは何らかの繋がりがあると思わせる可能性を指摘。
オンラインギャンブルプラットフォームのStake.comがこの名称を使用することで、株式取引プラットフォームのStake社が金融分野で築いてきた評判が損なわれる可能性があると主張しており、Stake.comがオーストラリアでその名称を使用することを禁止するよう裁判所に求めています。
法律専門家によると、異なる業界間で類似した名称に関わる商標権侵害のケースは珍しくないことを指摘しています。このようなケースの判決は、名称の類似度、サービスの重複度、消費者の混同の可能性などの要因に左右されることが多いようです。
株式取引プラットフォームStakeの訴えが認められれば、オーストラリア市場へ進出する際に既にネームバリューのあるStake.comは使えません。
ステークカジノはストリーミングプラットフォーム「Kick」を通じて、F1レーシングチームのアルファロメオと契約を結ぶなど、注目度の高いスポンサー契約をいくつか結んでいます。メルボルングランプリでは同ブランドのロゴが表示されましたが、もし訴訟が続くようであれば、今後のロゴ表示は見合わせることになるかもしれません。
戦略アドバイザリー会社Regulus Partnersの最近のデータによると、ステークの昨年の総収入は約23億ドル。これは、大手ブランドのドラフトキングスや888ホールディングスなどを上回っています。
法的手続きが進むにつれて、裁判所はStake.comのブランディングが実際に著作権侵害に該当するかどうかを判断します。ステークは元パートナーに5億8,000万ドルの訴訟を起こされましたが、管轄外という事で訴えは棄却され、一安心していたところでした。
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