日本のカジノ計画から撤退したウィン・リゾーツ社は、アラブ首長国連邦(UAE)、ラスアルハイマのアルマルジャン島に建設予定のIR(統合型リゾート)について、新たな詳細を発表しました。
この統合型リゾートは2027年初頭にオープン予定で、建設費は推定39億ドル(約5,300億円)であることも改めて発表され、建設は数週間前に開始されました。
18周年を迎えたばかりのWynn Las Vegas(ウィン・ラスベガス)ですが、ウィン・ラスベガスより1,600億円以上多い費用をかけて建設されるこの施設の正式名称は、「Wynn Al Marjan Island(ウィン・アル・マージャン・アイランド)」であることも発表されました。
ウィン・アル・マージャン・アイランドは、世界最大のIRのひとつになると考えられています。この施設には高さ約305mのタワーが設置され、スイートルームを含む1,000室のホテルとスパ、24件の飲食店、ショッピングモール、その他多くの施設があり、すべての客室がオーシャンビュー。また、ビーチフロントのヴィラも数棟用意される予定です。
アラブ首長国連邦(UAE)は中東・北アフリカ地域で有数の観光地。しかしこれまで、UAEにはイスラム教の戒律によってカジノはありませんでした。競馬、宝くじは政府公認となっていますが、昨年ウィン・リゾーツが「ゲームエリア」を伴う統合型リゾートの開発を行うと発表し、カジノ解禁の噂が囁かれました。しかしUAEは、カジノ解禁に関して否定も肯定もしていません。
カジノで有名なラスベガス、マカオ、シンガポールが飽和状態にある中、世界のカジノオペレーターは海外に新たな開拓地を求めています。なかなか進まない日本のIR計画から撤退し、UAEに矛先を向けたウィン・リゾーツは、ライバルに先んじ、これまで未開拓だった地域で存在感を示そうとしています。
ウィン・リゾーツのCEOは今回の発表で、ウィン・アル・マージャン・アイランドがオープンする際には「ゲーミングを行うためのライセンス」を完全に取得する予定であると述べています。
ウィン・アル・マージャン・アイランドが成功すれば、他の首長国も自由化を検討する可能性があります。これは、UAEでカジノを含まないホテルを運営しているシーザーズ・エンターテインメントやMGMリゾーツ・インターナショナルにとっても好材料になるかもしれません。
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