長崎県が佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」を、IR(統合型リゾート)の立地先と決定するのに時間はかかりませんでした。しかし旅行会社H.I.S.が、傘下のハウステンボスを売却する方針であることが明らかになりました。
まだ続いている新型コロナウィルスの大流行は旅行制限を生み、同社は2021年11月から2022年4月までに296億円の損失を計上、財政悪化を立て直すため、事業売却による資金確保を迫られています。
長崎県はカジノ事業主のカジノ・オーストリアと事業パートナーとなり、ハウステンボスのすぐ西側にある76エーカーの敷地にIRを建てることを構想しています。長崎県は、カジノ誘致を希望している2県のうちの1県。
H.I.S.は、ハウステンボスを運営する会社の株式の3分の2を保有しており、その株式と引き換えに具体的な金額は明らかにされていませんが、数百億円を受け取ることを希望しています。
「ハウステンボスの企業価値・株式価値を向上させるため、株式譲渡など様々なプランを検討している。しかし、現時点では具体的な決定はしていない」とH.I.S.は述べていますが、香港の投資会社が興味を示しているようです。投資家は「安く買って高く売る」ことを心得ているものですが、ハウステンボスは現在、その状態にあると言えます。
なお、H.I.S.はハウステンボスの経営が変わった場合でも、新オーナーのもとでテーマパークとしての運営を継続するとしています。
ハウステンボスは30年前に開業、敷地面積は375エーカー(約3,000坪)、開園4年目の1996年には年間入場者数が380万人に達しました。しかしその7年後、予想外の急減に見舞われ破産を申請しました。2010年、H.I.S.がこの施設を購入、日本最大のテーマパークとして再建を進め、軌道に乗せることができました。しかし、その矢先に「コロナウィルス」の大流行が起こり、再び苦境に立たされることになったのです。
日本のIR導入計画は続いています。政府は今秋にも長崎と大阪、あるいはどちらか一方を承認する可能性があります。
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ニュースソース:https://www.japantimes.co.jp/news/2022/07/21/business/corporate-business/his-huis-ten-bosch-potential-sale/