日頃ポーカーシーンで目にすることのない出来事が起こりました。アメリカ・メリーランド州のMGMナショナルハーバーで最近開催された「ポトマックウィンターポーカーオープン」の$400バイイントーナメントで、いよいよヘッズアップ(残り二人)となった時に奇妙な出来事は起こりました。
Mitichの1,900万チップに対し、Pinkertonの持っていたチップは350万、MitichはPinkertonの5倍のチップを持っていましたが、ポーカーでは最後まで何が起こるかわかりません。実際、2021年のヘッズアップではDaniel Negreanuが96,000チップ、Phil Hellmuthが4,000チップでしたが、Phil Hellmuthが勝利したことさえあります。
5倍の差なら、逆転も起こり得ます。しかし、ヘッズアップとなった途端、Pinkertonは「2位でいいよ」と言ったのです。Mitichは「2位でいいってどういう意味だ?」と返すと、「君のチップは僕よりずっと多いから、僕はカムバックできないよ」とPinkerton、Mitichはただ「オッケー」と答えました。
良いハンドを待ったりオールインする代わりにサレンダーし、あらかじめ設定されていた2位賞金 $13,582を受け取ったのです。Pinkertonはフライトスクールの学生で、ポーカーは楽しみとしてプレイしていると語っていたそうですが、数百ドル多く得られたであろう「ディール」の交渉さえしませんでした。
pokernewsによると、Pinkertonはトーナメントで他の273人のプレイヤーに勝ち、2位になったことに満足している以外、何も理由を述べずに去ったのだとか。
このニュースをあるポーカープレイヤーが「トーナメントのヘッズアップで諦める人なんて聞いたことある?」とツイートすると、ポーカープレイヤーたちの間でいろんな憶測を生みました。優勝者は写真撮影、インタビューなどを受けますが、2位はすぐに賞金を手に入れ去ることができます。
Pinkertonはスポットライトを避けたい理由があったのではないか、という人もおり、Pinkertonという名も本名かどうかは定かでなく、禁止されている、借金があるなどの理由で偽名を使うことも考えられます。また、どこかへ行かなければならないとか、飛行機に乗らなければならないとか、そういう理由があったのでは?と考える人も。ヘッズアップで諦める理由は限られている、と人々は口にします。
一方、Mitichは優勝賞金$22,298を獲得し、これまでで最高のライブキャッシュとなったそうです。
勝利への道のりには必ず「ヘッズアップ」あり!