ブロックチェーン技術とゲームに関する大きな前進として、フランスは画期的な法律を施行しました。「ソラーレ法」は、NFT(Non-Fungible Token)とブロックチェーン技術に基づくゲームに変化をもたらし、それらがギャンブルではないとするものです。
日本では「ガチャ」とも呼ばれているルートボックスやプレイヤーパックは、プレイヤーがあるアイテムを獲得したいがために課金します。中身はランダムなため、1度の課金で欲しいものが手に入らない場合も多く、入手できるまで何度も課金してしまう人も少なくありません。
望むものが手に入ると高揚感もあり、ガチャは「ギャンブル性が高く依存症を生む」と世界中で懸念されています。また、一度課金すると、「せっかくお金を払ったのだからここで諦めるのはもったいない」という気持ちが芽生え、課金し続けるケースも多くあります。実際、未成年者が高額な課金を行っていることもあるのです。
そのため、ルートボックスやプレイヤーパックを含むゲーム内の課金は世界中で厳しい監視下に置かれており、多くの国がギャンブルの一形態と判断しています。しかしフランスでは、ギャンブルとみなさないということを推進したことになります。
オンラインカジノが「違法」かという議論が交わされていますが、問題はオンラインギャンブルやオンラインゲームに関する法律が日本には存在しないことにあります。ブックメーカーでのスポーツベットや、スキルゲームとみなされることの多いポーカーも、日本(そして一部の国)ではギャンブルと分類されています。
また、宝くじもギャンブルとみなされます。となれば、宝くじと同じように機能するガチャやルートボックスもギャンブルに分類されそうですが、現在のところ、ガチャをギャンブルとみなすかみなさないかの明確な判断はされていません。
フランスの国民議会で賛成437票、反対77票という圧倒的多数で可決されたこのソラーレ法案は、NFTと暗号通貨の要素を取り入れたゲームに対する規制の枠組みを確立することを目的としています。
この法案は、暗号通貨特有の不安定な性質と、その仮想通貨ゲームをギャンブルと定義すべきかどうかを判断することから始まりました。
この立法措置により、NFTや暗号通貨の機能を利用したゲームをギャンブル領域から切り離す規制の枠組みが整うことになります。しかし、まだ憲法評議会の承認を得なければなりません。
フランスにおける憲法の最高権威である憲法評議会が、すべての鍵を握っています。NFTと暗号ゲームの合法化に向けたこの一歩を承認することも、脇に追いやることもできます。
この法律が審議会の審査を通過すれば、ブロックチェーンに参入する企業にとって大きな進展となるでしょう。とはいえ、クリプトゲームの分野はまだ始まったばかりであるため、さらに改良されることが予想されます。
ソラーレ法の許可は実験的に付与され、当初は3年間だけと定められています。フランスの賭博規制機関であるANJが規制対象のゲームと区別するため、賞金がデジタルオブジェクトのみと明記しています。また、現金との交換も禁止されています。
また、ソラーレ法は18ヶ月以内に実験の進捗報告書を提出するよう求めており、市場の状態、プレイヤー保護の仕組み、マネーロンダリングやテロ資金供与防止の仕組みの評価を実施し、詐欺や海賊版、仮想資産の管理に関する問題にも対処します。
さらに、NFTとブロックチェーンゲームプラットフォームは、18歳未満のプレイヤーを禁止するため、本人確認を行う必要があります。また、未成年者の規制をしていないYouTubeやTikTokのようなプラットフォーム上でコミュニケーションが行われる場合、ゲームのプロモーションにインフルエンサーを起用することも禁止されます。
従来、ゲーム内の仮想アイテムはゲーム開発者が所有・管理し、プレイヤーは真の所有権を持たず、ゲーム環境外でアイテムを取引することもできませんでした。
NFTとブロックチェーンを利用したゲームでは、特定のゲーム内アイテムがNFTを利用してトークン化されます。つまり、プレイヤーはブロックチェーン上で仮想アイテムの所有権を持てるようになります。プレイヤーはこれらのアイテムをゲーム内だけでなく、外部のプラットフォームやマーケットプレイスでも売買・取引できるようになります。
さらに、ブロックチェーン技術を使用することで、プレイヤーはゲーム内で暗号通貨の報酬を得ることができるようになります。
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