イギリスGPのスタート時に起きた多重クラッシュから無傷で脱出した周 冠宇(Zhou Guanyu)は、安全装置の「ハロ(英語ではヘイローと発音)に救われた」と語りました。
周のアルファロメオは上下反転して高速でグラベルトラップを横切り、タイヤバリアの手前で跳ね返ってキャッチフェンスに飛び込み、デブリフェンスに激突しました。
マーシャルが大破したマシンの中にいる周に駆け寄り、周が救出されるまで事故のリプレイはすぐに見ることができず、周の容態が心配されていました。
ジョージ・ラッセル(メルセデス)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、角田裕毅(アルファタウリ)、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)らもこの玉突きクラッシュに巻き込まれ、1時間の赤旗中断。ラッセルを含む他のドライバーも、衝突後、マシンから降りて周を助けに向かいました。
周が救出されると、アルファロメオは無線で周のチームメイトであるバルテリ・ボッタスに「周は意識がある、会話もしているし、骨折もない。この状況を思えば、彼はかなり元気だ。」と伝えています。
スタートの再放送では、8番手スタートのラッセルがスタートで出遅れ、ピエール・ガスリーの右フロントが接触し、コントロールを失った周のアルファロメオ右側面に衝突したように見えます。これにより周はコースアウトし、周囲のマシンを巻き込んでさらに多重衝突を引き起こしました。
その後、ピットに戻り、カルロス・サインツのF1初優勝を見守った周は、ファンに向けて次のようにツイートしました。「僕は大丈夫、なんともないよ。今日はハロに救われた。みんな、優しいメッセージをありがとう!」
ハロは2018年に義務づけられた、ドライバーの頭部を守るT字型の安全バー。コックピットを覆うように取り付けられたハロは、ドライバーの視界を妨げる、コーナリングのために重心を低くしなければならないマシンにとって、高い位置に取り付けられることでマシンのデザイン調整も必要になりました。
しかし、今回だけでなく、F2レースではデニス・ハウガーが運転するマシンがロイ・ニッサニーのコックピットの上に乗り上げた時も、ニッサニーはハロに救われ無傷でした。
また、昨シーズン、イタリアGPでマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンのコックピット上に乗り上げるという事故の際も、ハミルトンは「救ってくれたのはハロだよ」と述べており、ハロは多くのドライバーを守っています。
ニュースソース:https://sportsdesk.com.mt/2022/07/04/watch-silverstone-crash-victim-zhou-pays-tribute-to-halo-for-saving-his-life/