著者: Jun Jun
掲載日    |   更新日

仮想通貨の今:トラベルルールの適用で何が変わった?



JVCEAのトラベルルール

2022年4月1日から全国の仮想通貨(暗号通貨)取引所で一斉に適用され始めたトラベルルール

導入された際はなかなか面倒なルールだな・・・と思った人も多かったのないないでしょうか。しかし今は「旅行業界のイベントかなにかじゃない・・・?」と誤解するひと(わたしのような)も少なくなってきた模様。

そんなトラベルルール導入から一年以上が経過した2023年6月。国内の仮想通貨業界ではトラベルルール規制の強化が実施されています。

いま一度、トラベルルールとはなにか、その目的、開始の経緯、そしてトラベルルール強化の内容を整理してみましょう。

ワンクリックでひとっ飛び👉仮想通貨オンラインカジノ一覧へ

そもそもトラベルルールってなに?開始の経緯とその目的は?

トラベルルールとは、暗号資産の送金に関して国内仮想通貨取引所に課されたルールのこと。

国際機関であるFAIF(金融活動作業部会)がマネーロンダリングおよびテロ資金供与対策として、各国の規制当局にトラベルルール導入を求めています。

この呼びかけに日本の金融庁が呼応し、JVCEA ( 一般社団法人日本暗号資産取引業協会)の主導のもと、業界の自主規制として2022年4月1日より実施されています。

トラベルルール適用開始

その内容は、「利用者の依頼を受けて暗号資産の送付を行う暗号資産交換業者は、送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければならない。」(JVCEA : 一般社団法人日本暗号資産取引業協会公式サイトより)というもの。む・むずかしい・・・😅

これを噛み砕いて言うと、「仮想通貨取引所は、仮想通貨を送金する人と、受け取る人の情報を送金先に通知しなければならない」ということです。また、仮想通貨取引所はそれらの情報を保管しておく必要があります。

先程も言ったように、トラベルルールは、マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策です。つまり、不正なお金を取り締まり、マネーロンダリングを防止し、資金が犯罪に使われた際には資産の出所と行先を追跡することが目的です。

  • 不正なお金を取り締まる
  • マネーロンダリングを防ぐ
  • 不正利用があったとき追跡可能にする

トラベルルール規制強化で送金できなくなることも?!

2023年6月1日「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の改正に伴い、トラベルルールが強化され、新たな規制が導入されました。

この規制により、取引所から別の取引所へと送金ができない場合が生じるようになりました。一体どういうことでしょう?

対応ソリューションは3種類:SYGNAとTRUST、GTR

その理由は仮想通貨取引所が利用するトラベルルール対応ソリューションが3種類あるため。

  • TRUST(Travel Rule Universal Solution Technology)
  • SYGNA BridgeもしくはSYGNA Hub
  • GTR(Global Travel Rule)

同じソリューションを利用している取引所間でなら送金可能ですが、異なるソリューションを利用している取引所間、例えばSYGNAで対応しているGMOコインと、TRUSTで対応しているCoincheck(コインチェック)の間では送金ができません。

現在のところ、GTRを採用している取引所は2023年8月1日にサービスが開始されたバイナンス・ジャパン(バイナンス日本版)のみ。よって、バイナンス/ジャパンは他の取引所とは取引ができません。

国内取引所の対応ソリューションは以下となります。

TRUST SYGNA GTR
bitFlyer
Coincheck
Crypto Garage
ビットバンク
bitTrade
DMMビットコイン
GMOコイン
SBI VCトレード
楽天ウォレット
Zaif
フォビジャパン
LINE BITMAX
BTCボックス
カイカエクスチェンジ
コインベスト
バイナンス・ジャパン

どんな場合なら送金可能?

同じソリューション利用の国内取引所間

先程説明したように、同じソリューション利用の取引所間なら暗号資産送付が可能です。

次の通知対象国・地域以外にある取引所への送金

これらの通知対象国、通知対象地域以外には送付が可能です。

アメリカ合衆国、アルバニア、イスラエル、カナダ、ケイマン諸島、ジブラルタル、シンガポール、スイス、セルビア、大韓民国、ドイツ、バハマ、バミューダ諸島、ベネズエラ、香港、マレーシア、モーリシャス、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク

プライベートウォレットへの送金

また、メタマスクやLedgerNano(レッジャーナノ)、トラストウォレットなど、プライベートウォレットへの送金の規制はありません。

ソリューションが異なるため直接は送金できない場合でも、これら個人ウォレットを経由すると送金が可能となります。

ただし将来的には変更となる可能性もありますので利用しているプライベートウォレットの情報は見逃さないようにしましょう。

トラベルルール規制強化における注意点

大手のGMOコインの「トラベルルールについてよくあるご質問」を読んでいて、恐ろしい一文が・・・。

「当社による送付元情報の確認結果によっては、暗号資産の口座への反映をお断りする場合がございます。また、暗号資産の性質上、反映をお断りした場合でも暗号資産の返送はできかねますので、あらかじめご了承ください」

つまり、反映を「お断り」された場合、仮想通貨(暗号資産)の返送はできない、って😨

 

GMOコイントラベルルール

GMOコイントラベルルール

 

さらに同じソリューション間でも、限られた通貨のみ送れなかったりもするようです。各取引所とも対応に追われており、対応が変更となる可能性があります。

利用前に取引所でシッカリ確認することが必要ですね・・・。

 

日本に進出が決定!👉バイナンスの徹底レビューはこちら

まとめ:仮想通貨の今:トラベルルールの適用で何が変わった?

まとめます!

✔トラベルルールとは?

各国内の仮想通貨取引業者が課される「送金する人と、受け取る人の情報を送金先に通知する必要があり、送金先はその情報を保管しておかなければならない」というルール

✔トラベルルールの目的

マネーロンダリングを防ぐため、また不正が起こったときにお金の流れの追跡を可能にすることが目的

ビットコインだけじゃない!オンラインカジノで利用可能な仮想通貨

✓送付可能なのは?

対応ソリューションにはTRUST、SYGNA、GTRの3種類がありますが、同一のソリューションを利用している仮想通貨取引所間では資金の移動が可能です。ただし、現在のところ、送付できる通貨が限られている場合があります。各取引所で確認しましょう。

通知対象国・通知対象地域以外、プライベートウォレットには送付可能です。

 

まだ曖昧なところの多いトラベルルール。まだはっきりしないことも多く、巷でも色々な噂や口コミが飛び交っています。

時間の経過とともに詳細が明らかになってくるはずです。今後の動向を見守りましょう。

Jun
著者について
おっとりなマイペースギャンブラー。カジノサポート、大手アフィリエイトのライターを経て今に至る。時折見せる生真面目さゆえ、時には周りに煙たがられている(気がする)ことが悩み。スロットプレイ時は喜怒哀楽が激しい。スポーツベットでは感動の涙をながすことも。