少し前に、警視庁が
「海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です」
と述べ、ちょっとした騒ぎになりましたね。
同時に、「オンラインカジノは犯罪って言ってるけど、スポーツベッティングを提供するブックメーカーやポーカーサイトはどうなの?」と疑問に思った人も多いのではないでしょうか?
このページでは、オンラインカジノでプレイするのは犯罪なのか、ブックメーカーやポーカーは違法性はないのか、についてそれぞれ探っていきましょう。
ラスベガスやマカオ、モンテカルロなど、海外のカジノへ出向いてプレイしても罪には問われません。これは、場所が海外であること、そしてカジノが合法に運営されているからですが、オンラインカジノに関して言うと、サーバは海外です。そのサイトへアクセスして日本から賭ける場合、日本で賭博をしていることになるのか、というのが議論となる点です。
胴元がライセンスを持ち、合法に運営している海外企業であれば罪に問うことはできず、よって、そこでプレイをする賭客も罪に問うことができないのです。
現に、山口県阿武町で誤って受け取った給付金4,630万円をオンラインカジノで使った人物も、明らかにオンラインカジノでプレイしていたのが分かっているにも関わらず、賭博罪に問われてはいません。
他にも、ある公務員が仕事中、毎日のようにオンラインカジノでプレイしていたというニュースがヤフーニュースなどで流れましたが、こちらも賭博罪には問われていません。
「オンラインカジノを利用した賭客を賭博罪で検挙した事例はいくつもある」と言われますが、これらは全て「闇カジノ」です。
これらの闇カジノはライセンスもなければ、運営は日本国内で行っていた事例ばかり。これらは疑いなく賭博罪にあたり、運営者もそこでプレイをした賭客も罪となります。
これらの闇カジノは、店舗を構えたカジノであろうがオンラインカジノであろうが共に危険です。ジャックポットが当たることもなければ、ゲームの正当性もなく、いつ消えても不思議ではありません。
少なくともライセンス、運営場所を確かめてからプレイしましょう。
「海外で合法的に運営されているオンラインカジノでも、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪」であれば、取り締まればいいのでは?取り締まらないのはなぜ?
それは、「取り締まれない」からです。違法となる「法律」が存在しないのです。罪にあたる法律がない限り、法で裁くことはできません。
約7年前、合法に運営していた海外のオンラインカジノでプレイしていた日本人3人が逮捕された事件がありました。2人は略式起訴を受け入れ、罰金を支払って終わりましたが、もう一人が裁判で争う姿勢を見せると、検察は不起訴としたのです。
これは、検察が裁判で争っても罪に問うことは難しいと判断したからだと言われています。他の2人も、罰金刑を受け入れなければよかった、と思っているかもしれませんね。
さて、「オンラインカジノは犯罪」と騒がれましたが、スポーツベッティングを行うブックメーカーで賭けるのは犯罪なのでしょうか?
実はブックメーカーも、オンラインカジノと同じ立ち位置にいます。どちらもオンラインギャンブルという点では違いはなく、オンラインカジノでプレイするのが違法となれば、ブックメーカーでベットすることも違法性は同じです。
しかしブックメーカーもオンラインカジノと同じく、ライセンスを持って合法に運営している海外企業であり、「違法」と決定付ける法律が日本にはありません。
オンラインカジノは違法、ブックメーカーは違法性なし、と思っている方もいらっしゃるようですが、どちらも同じオンラインギャンブルです。
実際、ほぼ全てのブックメーカーサイトはカジノサイトも併用されています。同じアカウントで使えるカジノサイトとブックメーカーサイトなのに、片方だけ「違法」にはなり得ません。
ということで、カジノもブックメーカーも、どちらも合法ではないけれども違法でもない、すなわち、法律が今のところ存在しないという状況なのです。
ポーカーをプレイする人のほとんどは、ポーカーはギャンブルだと考えている人は少ないのではないでしょうか?
実際にワタクシ自身も、ポーカーはカジノやスポーツベッティングとは少し違うと感じているうちの一人です。それは、ポーカーは「スキルゲーム」だと言えるから。
しかし一般的(ポーカーをしない人たち)には、お金を賭けてプレイするゲームはギャンブルに分類されます。宝くじもギャンブルに分類されるくらいですから、ポーカーも一般的にギャンブルと見なされても不思議ではありません。
よって、オンラインポーカーもオンラインカジノやブックメーカーと同じ立ち位置であり、もしオンラインカジノでプレイすることが違法となる法律が存在するなら、オンラインポーカーも同じく違法とみなされます。
現在はオンラインポーカーが違法となる法律はありませんが、日本のポーカールームで現金を賭けてポーカーをプレイする行為は違法となります。
しかし将来、ポーカーはギャンブルではなくスキルゲームだと認定されれば(海外の裁判ではポーカーはスキルゲームだと見なされたケースがいくつもあります)、ブックメーカーやカジノとは切り離されて考えられることがあるかもしれません。
さて、オンラインカジノもブックメーカーもオンラインポーカーも全て同じギャンブルなら、なぜオンラインカジノだけが騒がれているのでしょうか?
これはワタクシ個人の推測になりますが、まずオンラインカジノが最も利益を上げているギャンブルだからでしょう。
ポーカーはプレイヤー同士がお金を奪い合い、胴元はレーキ(手数料)で利益を得ています。スポーツベッティングはカジノほどスピーディーに勝敗が付くわけではないですし、24時間ノンストップでプレイできるカジノと違い、試合の数も限られています。また、日本ではスポーツベッティングをする人も海外ほど多くありません。
なので、まずはオンラインカジノに日本人がお金をつぎ込むのを阻止しようということなのではないでしょうか。海外にかなりのお金が流れ出ているとなれば、国として面白くはないはず。かといってオンラインギャンブルに関する法律がないので、企業に税金を課すこともできません。
違法としたいなら早くオンラインギャンブルは違法だという法律を制定し、合法とするならそこから税収などを得るべきなのでは?
多くの国で、店舗を構えて運営するギャンブルとオンラインギャンブルとは分けて考えられています。
ギャンブルは合法ですがオンラインギャンブルは違法な国もあれば、両方が合法な国、両方とも違法な国があります。
オンラインカジノはいいけれどスポーツベッティングはダメ、オンラインポーカーやブックメーカーはいいけれどオンラインカジノはダメ、などという国も。
ライセンスを持ったきちんとしたオンラインギャンブル企業であれば、オンラインギャンブルが違法な国からのアクセスをブロックします。運営会社も、各国でオンラインギャンブルが違法か合法か、または「規制されていない国(日本やタイ、南米やアフリカの国々など)=違法ではない」かの市場調査を行っています。これらを無視し、規制された国で許可なく営業すれば強制退去となり、莫大な罰金とライセンスを剥奪される可能性があるのです。
日本からブックメーカーやオンラインカジノ、オンラインポーカーサイトにアクセスできるのは、オンラインギャンブルが規制されていない国、となっているからに他ならないのです。
もしオンラインカジノが違法となる時がくれば、ブックメーカーもオンラインポーカーも同時に違法となる可能性が高いでしょう。
しかし、現在のところ日本にはオンラインギャンブルを裁く法律が存在しません。
ワタクシはブックメーカー、オンラインカジノ、オンラインポーカーサイトでかなりの数のアカウントを持っており、基本、マルタにいますが、渡航先の国からログインしようとするとできない事も多々あります。
これは、その国でオンラインギャンブルが合法かどうか、そして、合法であっても営業許可を持っているかどうかにもよります。このブックメーカーはフランスからログインできないけど、このブックメーカーはログイン・ベットが可能、ということもあるのです。
日本でオンラインギャンブルが違法となる法律が制定されれば、カジノに限らずブックメーカーやポーカーサイトへもアクセス出来なくなるはずなので、アクセスできるうちはライセンスを持っているサイトか、運営は海外か、の確認を怠らないようにしましょう!
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