モナコ公国の有名カジノがある地区、モンテカルロに因んで命名されたベット戦略がこのモンテカルロ法。
元々はユダヤ系アメリカ人科学者 Stanislaw Ulam/スタニスワフ・ウラムが核兵器プロジェクトに取り組んでいた際に考案しただけあって、理論的には勝てるベット戦略です。
ただ、いくつかのリスクも伴うので注意が必要。
その昔、モンテカルロのカジノをこのベット戦略で潰したと噂されるほどのベット戦略、モンテカルロ法の実践方法と注意点をご紹介!
モンテカルロ法は配当(と当たる確率)により2種類の実践方法があり、ベットの仕方が少し異なります。
まずは、具体的にどのような「賭け」で使えるかを解説します。
① 1:1配当のカジノゲーム(2倍配当=賭け金と同額が利益として支払われる)=二つの選択肢の中でどちらかを選んで賭け、当たる確率は約50%の賭け
もしくは
② 2:1配当のカジノゲーム(3倍配当=賭け金の倍額が利益として支払われる)=三つの選択肢の中から選んで賭け、当たる確率は約33%の賭け
当たる確率が同じであれば、1:1、もしくは2:1配当の他のどのゲームで使ってもOK。ただし、出目の確率などを考えると、同じ箇所にベットして使う方がより有効でしょう。
それではその2種類に当てはまるカジノゲームの種類をみてみましょう。
1:1配当のカジノゲーム、つまり二つの選択肢の中でどちらかを選んで賭け、当たる確率は半々となる以下の様なベットで有効です。
例えば・・・
2:1配当のカジノゲーム、つまり三つの選択肢の中から選んで賭け、当たる確率は3分の1となる、以下の様なベットで有効です。
例えば・・・
ブックメーカーやポーカーでも使えると考える人もいるようですが、まずもって2:1配当のモンテカルロ法はまずもって配当が一定でいないブックメーカーやポーカーでは使えません。
1:1配当も同じことが言え、スポーツ試合のAチームとBチームの勝率が同じ場合(ルーレットのカラーベットのように勝率50%)で、オッズが2.0に近い場合(すなわち1:1配当に該当する)は使えなくもないですが、そんな試合を探す方が大変です。
スポーツベットをする方、ポーカーをプレイする方ならすぐにわかることですが、両チームの力量が同じ場合2.0以上のオッズが付くことはなく(2.0以上のオッズを付けると両方に同じ額を賭け必ず利益が生まれるため)、モンテカルロ法をブックメーカーならびにポーカーゲームで試そうと考えること自体、時間の無駄となります。
まずは紙とペンを用意しましょう。
記憶力が抜群、という方でない限り、ベット毎の記録が必要なので頭の中がこんがらがってしまいます。
モンテカルロ法はルールに従ってベット額を記録しながら、その勝敗とあわせて次のベット額が決まるベット戦略です。数字を足したり消したりしながら、数字が1つ、もしくは数字が全てなくなったところで1セット終了となります。
この作業を繰り返し、目標利益に達するまで何セットをプレイするかはあなた次第。
1:1配当と1:2配当のモンテカルロ法の違いは、数字の消し方が少し異なるだけ。
それぞれ実践法をシミュレーションしていきましょう!
【ステップ1】
まず、準備した紙に1、2、3と数字を横に書きます。
モンテカルロ法でのベット額は、常に横に書いた一番左の数字と一番右の数字を足した額となります。また、消されてない数字が残り1つになったら1セット終了です。
つまり、スタート時点のベットは1+3で$4を好きな1:1配当にベットします。
※ 高額でのスタートも可能ですが、連敗が続くとベット額がかなり大きくなるので、資金を十分に持っていない限り1セットを終了するのが難しくなります。
1、2、3の横に損失したベット額「4」を記録。記録は1、2、3、4となり、そのまま次のラウンドに継続です。
⇨【ステップ2】に進む
並んだ数字の両サイドの数字を消します。記録は1、2、3となり、数字が1つになったので1セット終了です。また1、2、3と数字を書いて最初から始めます。
数字を消して1セット終了
最初からスタート
【ステップ2】
負けた場合の次のベット額は、記録が1、2、3、4となったので両サイドの1+4で$5を再度好きな1:1配当にベットします。
勝った場合
⇨【ステップ3】に進む
再度負けた場合
⇨【ステップ4】に進む
【ステップ3】
前記録が2、3、4なので一番左の数字と一番右の数字を足した額次2+4=$6を1:1配当にベットします。
勝った場合
【ステップ4】
この方法でプレイすると、1セット終了時には利益が出ます。ただし、稀に僅かな損失で終わることもあります。説明だけだと利益が出ているのかどうかは分かりづらいので、以下で表にしてみましょう。
1:1 配当モンテカルロ法 ‐ 例1
回 | 開始記録 | ベット額 | 勝敗 | 累計損益 | 終了記録 |
1 | 123 | 4 | 負け | -4 | 1234 |
2 | 1234 | 5 | 負け | -9 | 12345 |
3 | 12345 | 6 | 負け | -15 | 123456 |
4 | 123456 | 7 | 勝ち | -8 | |
5 | 2345 | 7 | 負け | -15 | 23457 |
6 | 23457 | 9 | 勝ち | -6 | |
7 | 345 | 8 | 負け | -14 | 3458 |
8 | 3458 | 11 | 勝ち | -3 | |
9 | 45 | 9 | 負け | -12 | 459 |
10 | 459 | 13 | 勝ち | +1 |
10回目の賭けで数字が1つになったので1セット終了です。
回 | 開始記録 | ベット額 | 勝敗 | 累計損益 | 終了記録 |
1 | 123 | 4 | 負け | -4 | 1234 |
2 | 1234 | 5 | 負け | -9 | 12345 |
3 | 12345 | 6 | 勝ち | -3 | |
4 | 234 | 6 | 負け | -9 | 2346 |
5 | 2346 | 8 | 勝ち | -1 | |
6 | 34 | 7 | 勝ち | +6 |
6回目の賭けで数字がなくなったので1セット終了です。
記録の仕方は1:1 配当のモンテカルロ法と同じです。
違いは、勝利した時の数字の消し方のみ。
1:1 配当では両サイドの数字を1つずつ消しましたが、2:1 配当では2つずつ消します。
1:1配当で勝利する確率は約50%ですが、1:2配当では約33%、勝利する確率は減りますが、勝利すると賭け金の倍の配当があるので大きく取り戻せます。
回 | 開始記録 | ベット額 | 勝敗 | 累計損益 | 終了記録 |
1 | 123 | 4 | 負け | -4 | 1 2 3 4 |
2 | 1234 | 5 | 負け | -9 | 1 2 3 4 5 |
3 | 12345 | 6 | 負け | -15 | 1 2 3 4 5 6 |
4 | 123456 | 7 | 負け | -22 | 1 2 3 4 5 6 7 |
5 | 1234567 | 8 | 勝ち | -5 | |
6 | 345 | 8 | 勝ち | +11 |
数字がなくなったので1セット終了です。
回 | 開始記録 | ベット額 | 勝敗 | 累計損益 | 終了記録 |
1 | 123 | 4 | 負け | -4 | 1 2 3 4 |
2 | 1234 | 5 | 負け | -9 | 1 2 3 4 5 |
3 | 12345 | 6 | 負け | -15 | 1 2 3 4 5 6 |
4 | 123456 | 7 | 勝ち | -1 | |
5 | 34 | 7 | 負け | -8 | 3 4 7 |
6 | 347 | 10 | 負け | -18 | 3 4 7 10 |
7 | 34710 | 13 | 負け | -31 | 3 4 7 10 13 |
8 | 3471013 | 16 | 負け | -47 | 3 4 7 10 13 16 |
9 | 347101316 | 19 | 勝ち | -9 | |
10 | 710 | 17 | 勝ち | +25 |
数字がなくなったので1セット終了です。2:1配当モンテカルロ法の場合、2連勝しない場合は1セットが長くなる可能性があるので覚悟して。
上記のシミュレーションを見ると、モンテカルロ法は理論通り勝てるということが分かります。
稀にマイナスで終わることはあっても$1~2といった僅かなもの。
再度チャレンジして取り返すことができます。
ではリスクはないのか?というと、やはりリスクはあります。
2:1 配当モンテカルロ法 ‐ 例2のように、負けが連続するとベット額が高くなります。なので、連敗した時のために、資金はそれなりに必要となる訳です。
連敗した際のベット額がマーチンゲール法に比べると大きくなりません。
資金にある程度の余裕があれば必ず勝てます!
稀に1セットが僅かなマイナスで終わることはあっても、再度行えばいいのですから。
時間をかけて1セット終了したのに、たった$1の利益で終了・・・ということもあります。
一番のリスクは、連敗が続けば続くほど大きな資金が必要となることですね。
モンテカルロ法で勝てなかったケースは、資金が底をつくことによるものです。
何が何でも勝ちたい、ギャンブルの楽しみは要らない、稼ぐことだけが目的!という方ならモンテカルロ法はピッタリ。しかし、ある程度の資金が必要です。
また、記録を毎回取らなければならないので、面倒くさがりの方には向いていないかも。
オンラインカジノの規約にモンテカルロ法禁止という記載は見たことがありませんが、中にはシステムベット禁止と書かれているカジノも。
また、モンテカルロ法で毎回勝ち続けていたら目を付けられる可能性は大です。
実践したい方はそのリスクも考えながら行いましょう。
何事もほどほどに・・・ね♪
資金に上限がない方は問題ありませんが、時として連敗も起こりうるもの。
そんな場合に資金が十分にないと、資金が底をついて続けることが出来ず、負けで終わるというパターンになります。
資金力が十分でない場合、連敗が続いたらある程度で切り上げる判断も必要。
かくいうワタクシも、一度モンテカルロ法で資金が最初の倍になったのに欲を出し、もう1セット!と続けると、まさかの大連敗で資金が足りなくなった経験が。
目標利益に達したら欲張らずにきっぱりやめるのも大事!
勝てる戦略ならなぜみんな試さないのか?と疑問に思う方も多いことでしょう。
ワタクシの経験では、理論上は勝てるのですが現実ではいつも勝てるとは限らないから、が答えです。
「絶対勝てると言ったのに、今度は現実は勝てないことがあるってどういうこと?」と思いますよね?
その原因は資金力。連敗なんてそうそうしないでしょ、と思ったら、する時はするのです。
その時に十分な資金がなければ、負けている状況で資金切れ、残念でした!のパターンとなります。
反対に資金力のある人なら、モンテカルロ法を試さず普通にギャンブルを楽しみたいのでは?
もう一つは、モンテカルロ法を始めとするベット戦略はプレイしていても楽しくありません。ひたすらルールに従って決められた額をベットするのみ、ですからね。
そんなわけで、皆が試すわけではない「ベット戦略」なのです。
ワタクシ自身としては、資金と時間がある時にモンテカルロ法で少し増やし、その後思う存分好きなゲームでプレイする、というように時折(ホントに時折)試しています。