カードカウンティングはブラックジャックで有効な「必勝法」ともいえるストラテジーとして、世間でも広く知られています。
カードをある方法でカウントし、次に出てくるカードの確率を予測するのがカードカウンティングです。
カウントの仕方は何種類かあり、より精密なカードカウンティングの方法は複雑で、方法を覚えたからといって簡単に実行できる方法ではなく、かなりのトレーニングが必要となります。
しかし、正確さは劣りますが、比較的簡単に行える方法もあります。
ただし!オンラインカジノ、ランドカジノ共に、原則、カードカウンティングは禁止されています。
カウントしているのがカジノに知れると勝利金を没収される可能性もあり、追い出されて出入り禁止となるでしょう。
プレイヤーが何をしているか、カジノ側からは見えないオンラインカジノなら使えるのでは?とお考えの方、ワタクシもそう思っていました。
確かに5、6年前なら紙とペンを用意して、高い確率でカードカウンティングが可能だったのではないでしょうか。
しかしテクノロジーは進歩しているので気を付けてください。(この話は後の章 ₋ カードカウンティングのデメリット ‐ で)
とは言え、シンプルなカードカウンティング実践方法を知り、大まかなカードの出現率を知ることはプレイに役立ちます。
ここではプレイに即取り入れることができる【簡単なカードカウンティングの方法】を解説した後、いろんなレベルのカードカウンティングの仕方をご紹介します。
アメリカの数学者Edward Thorpが生みの親とされているカードカウンティングは、ブラックジャックストラテジーとして考案されました。
Edward Thorpが1962年に出版した「Beat the Dealer」には,ブラックジャックの最適なベッティングとプレイの戦略がまとめられており、数学的にはカードカウンティングがブラックジャックで有効なのは証明されています。
そのため、カジノは最後までカードを使わないなどの対策を講じるようになり、カウンティングをできるだけ困難にしています。
バカラでも使えると考える方もいますが、バカラはプレイヤーがカードをスタンドするかヒットするか等の選択はなく、ゲーム性が異なるのでカードカウンティングの有効性はかなり劣るのではないか、と個人的には思います。
ブラックジャックには【基本ストラテジー】という、こちらもかなり有名なベット戦略があります。
これもかなり有効なベット戦略ですが、ブラックジャック歴の長い方はこの基本ストラテジーを知らなくても、最終的にはこのストラテジーにほぼ沿ったプレイの仕方をしているのではないかと思います。
その上、カードカウンティングによって次に現れるおおよそのカードが予測出来るとすれば、勝率はかなり上がるというもの。
まずは、最もシンプルな「ハイロー(Hi-L0)システム」をご紹介します。
まず、ブラックジャックテーブルでシャッフルが終わり、新しくスタートする時点からカウントし始めます。
カウントの仕方は、0からはじめ、
カード | カウント |
2から6 | +1 |
7から9 | 0 |
10からA | -1 |
各カードに決められた数字を足し引きしていきます。
以下の画像の例のように、現れたカードをカウントしていくと、ここまでのカウントは+2となります。
簡単ですが、そのテーブルであなたのカードだけでなく全てのカードをカウントしなければならないため、混乱しそうな場合は(オンラインカジノなら)紙に記録するなどした方が良いですね。
上記のルールでカウントした数字を【ラン二ングカウント】と呼びます。カウントした合計数字の意味を解説します。
合計数字が + | カウント数が+になればなるほど、これまでに小さい数字が多く出ており、シューにはカウント10(またはA)のカードが多く残っている | プレイヤーに有利
|
合計数字が - | カウント数が-になればなるほど、これまでに大きな数字(絵札やA)が出ており、シューには小さなカードが多く残っている | カジノが有利
|
合計数字が 0 | 偏りなくカードが現れている状態。シューの中に残されたカードもカウント10のカードと小さなカードが均等に残っている | むらなくカードが出現しているので、基本ストラテジーに沿って大きな勝負は避けた方が無難 |
この【ランニングカウント】の数字だけでもおおよその予想ができます。
数字の「±」の大きさよって参加するハンドを決めたり、3~4枚目のカードを引くか引かないかを判断したり、ベット額を調整したり、カウンティングが更に有効となるシュー内のカードが残り少なくなってからベットするなどしてプレイをします。
更に信頼性のある数字を知りたい場合、【トゥルーカウント】を計算します。
【トゥルーカウント】の計算方法は、ラン二ングカウントを残りのデッキ数で割ります。
例えば、ランニングカウントが+6 で残りデッキ数が3の場合、6 ÷ 2=+3 となります。
残りのデッキ数はどうやって知ることができるのか?という疑問がここで浮かびますね。
残りのデッキ数を知る方法の一つは、シューを見ること。透明のシューを使用しているカジノなら、シューを見ればおおよその残りデッキ数がわかります。
黒いシューをなど、シューの中が見えにくい場合のもう一つの方法は、ディスカードトレイ(使用したカードを移すトレイ)を見て判断します。
ほとんどのカードカウンターは、ディスカードトレイを見て判断しています。
しかし、カードカウンティングを防ぐために、ディスカードトレイが見えないようにしているカジノも。
カウント数が+5の時なら+2 の時より大きくベットするべきです。
反対に-が大きくなるほど、ベット額は最小に留めましょう。
ちなみに、ベテランカウンターが勧めるベットの仕方は、ベットのユニット数を決め、【トゥルーカウント】から1を引いた数にユニット数を掛けます。
例えば、ベットユニットが100、トゥルーカウントが+5の場合、最適なベットは
(5-1)×100=400
となり、$400を隣り合ったボックス2つに賭けます。テーブルにあなたしかいない場合(カウンティングが容易になります)、または1ハンドしかプレイできない状況の場合は、ハンドごとに25%上乗せして賭けます。
個人的にも複数ボックスをプレイするのはカウンティングしていなくても「勝つ戦略」として有効だと信じていて、特に他のプレイヤーがいない場合、勝率が上がります。
ハイローの他にも以下のようなカウント方法があり、難易度が上がるほど信憑性も増しますが、素早くカウントするのが困難でミスも多くなります。
システム名 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10, J, Q, K | A | 難易度 |
ハイロー | +1 | +1 | +1 | +1 | +1 | 0 | 0 | 0 | −1 | −1 | 1 |
ハイオプト 1 | 0 | +1 | +1 | +1 | +1 | 0 | 0 | 0 | −1 | 0 | 1 |
KO | +1 | +1 | +1 | +1 | +1 | +1 | 0 | 0 | −1 | −1 | 1 |
レッド 7 | +1 | +1 | +1 | +1 | +1 | 0 / +1 | 0 | 0 | −1 | −1 | 1 |
オメガ2 | +1 | +1 | +2 | +2 | +2 | +1 | 0 | −1 | −2 | 0 | 2 |
ハイオプト2 | +1 | +1 | +2 | +2 | +1 | +1 | 0 | 0 | −2 | 0 | 2 |
ゼン | +1 | +1 | +2 | +2 | +2 | +1 | 0 | 0 | −2 | −1 | 2 |
ハルブス | +0.5 | +1 | +1 | +1.5 | +1 | +0.5 | 0 | -0.5 | −1 | −1 | 3 |
これらのカウントの仕方に【トゥルーカウント】を取り入れると、難易度の高いカードカウンティングほどより稼げる結果となります。
巧妙で高度なカードカウンティングを行った場合、かなりの勝率があります。
実際にこれまでカードカウンティングを使って大儲けしたプレイヤーの例がいくつかあるため、ニュージャージーのアトランティックカジノ以外ではカードカウンターを出入り禁止にすることができます。
(ニュージャージーではベテランブラックジャックプレイヤーが訴訟を起こし、ツールや他者の助けを得ていないカードカウンティングは認めらることになりました)
ただし、高度なカードカウンティングは記憶力とトレーニングなくして大儲けはありません。
精密なカウンティングができるのはトレーニングを積んだプレイヤーのみでしょう。
比較的簡単にできる「ハイローシステム」カードカウンティングは、あくまで「おおよその見当」としてプレイに役立てましょう。
比較的実行しやすいシンプルなレベルのカードカウンティングでは、必ず勝てるという攻略法ではありません。
カウントすることで、次に現れるカードのおおよその予測ができるようになり、ベットの強弱を判断したり、大きく損失するのを防ぐ方法と認識しておいた方が良いでしょう。
カウントしながらプレイするのは意外と忙しく、ゲーム自体を楽しむ余裕はなくなります。
また、オンラインカジノなら使えると考え、紙に記録しながらプレイしたとします。
通常は小額でベットしているのに急にベット額を上げたり、シューの終わり頃にベット額を上げるなどの行為を続けて勝利すると、ゲームプロバイダー側も調査します。
実際にオンラインカジノでも、カウンティング(どのレベルのカウンティングだったかは不明)をしたとして出金拒否となったケースを知っています。
ゲームプロバイダーはどうやってカウンティングをしているのが分かったんだろう?と疑問に思い、尋ねてみたのですが、関係者からの情報は貰えませんでした。
最近ではいろんなツールを使ったプレイを感知することもできるようですし、カウンティングをしていると見抜く方法をゲームプロバイダー側も持っているようです。
ランドカジノでは実際に「カードカウンター」を雇っていることもあり、カウンターが他のプレイヤーがカウンティングをしているかを見抜くこともあります。
面倒なことが嫌いな方、数学が嫌いな方、ゲームを楽しみたい方には向いていません。
足したり引いたりとカウントしているとシンプルなカウンティングでも頭が混乱しがちなので、記憶力のいい人、マルチタスクがこなせる人でなければ実践は難しいかもしれません。
ただ、ほとんどのカジノではカードカウンターを出入り禁止にする権利を留保しており、カウントしていると疑われる場合も然りです。
当然のごとくツールや他者の助けを借りたカウンティングは厳密に禁止されており、発覚すると逮捕される可能性もあります。
最もシンプルなハイローカウンティングでさえ、実践するには簡単といえるストラテジーではありません。
素早くカウントできる方は、極端なベットを避け、ひっそりとお試しくださいませ。
しかし、やはりゲームを楽しみながら、自分自身が信じるプレイ方法で勝つのが一番気持ちが良いものです。
ブラックジャックは最もハウスエッジの低いゲームでもありますし、カードカウンティングに頼らなくてもプレイ歴の長い方なら自分なりのストラテジーがあるのでは?
ワタクシがカードカウンティングと聞いて思い浮かべるのは、映画「レインマン」と「21」。
サヴァン症候群の兄、レイモンド(ダスティン・ホフマン)の抜群の記憶力を利用してカジノのブラックジャックテーブルで一儲けを図る弟、チャーリー(トム・クルーズ)のシーンが、ブラックジャック好きには印象的でした。
MITの学生6人がカードカウンティングの訓練を受け、ラスベガスのカジノで数億円を稼いだ実話に基づいた映画「21」は、カードカウンティングというストラテジーをより世間に広めたのではないでしょうか。
映画で見るのには楽しいですが、実際カウントに忙しくせかせかプレイするよりは、自分のプレイ能力を信じてプレイする方が良いのでは・・・と感じるワタクシの個人的な意見で終わりとさせていただきますw