海外のランドカジノでプレイし、利益を得たら日本で税金を払わないといけないのと同じく、海外で運営されているオンラインカジノで利益を獲得してもやはり税金がかかります。
そしてそれは法定通貨で入出金をしても、ビットコイン/Bitcoinなどの仮想通貨(暗号通貨)で入出金をしても同じこと。
近年はビットコインをはじめとする仮想通貨で入出金、プレイができるオンラインカジノが増えています。今日はビットコインを使ってオンラインカジノを利用する際に発生する税金についてご説明します!
オンカジで得た利益に税金はかかる?
オンラインカジノでビットコインをはじめとする仮想通貨を利用して得た利益には、所得税がかかります。利益には【一時所得】とみなされるものと【雑所得】とみなされるものがあります。
ギャンブルそのもので勝利して獲得した利益は【一時所得】とみなされます。オンラインカジノに利用しているのは法定通貨のみ、という人はこちらの【一時所得】だけを考慮するとよいということになります。
しかし、仮想通貨を利用する場合は、上記で述べたような【一時所得】のオンラインカジノで得た利益に加え、仮想通貨の売買等で得た利益に対する税金のことも考えなくてはなりません。こちらは【雑所得】とみなされます。
オンラインカジノから獲得した利益に生じる税金についてはこちらに詳しくまとめてありますのでご覧ください。
ここからは仮想通貨の売買、交換、使用で得た利益に生じる【雑所得】について説明していきます。
まず、所得税は次の10種に分類されます。
雑所得は、他の9つのうちどれにも当てはまらないその他の所得、という位置づけで、今までお話ししてきたように仮想通貨は最後の【雑所得】、さらにその中でも【総合課税】に分類されます。【総合課税】とは、各種の所得金額を合計して所得税額を計算するという方法です。
年間の給与が400万円で、仮想通貨取引で得た額が100万円だとすると、500万円が総収入となり、500万円に税金がかかります。
残念ながら所得税のなかでもっとも優遇されないのがこの雑所得といわれており、次の特徴があります。
他の9種類の所得との損益通算はできません。
たとえば年間の給与が400万円で、ビットコインで100万円分の損失がでたとしても、損失の100万円が考慮されることはありません。まるまる400万円に税金がかかります。
ただし、仮想通貨同士の合算は可能です。
たとえば今年はビットコインで利益がでたけれど、昨年損失が出たからその分利益から差し引く、ということもできません。株はできるのですが・・・仮想通貨はできないのです。
仮想通貨に関する経費は所得から引くことができますが、他の所得に比べて仮想通貨は経費に計上できるものが限られています。
売買手数料、入出金手数料、関連書籍の購入費、仮想通貨に関するセミナーの参加費などは経費として認めらています。
会社員の場合、ビットコインをはじめとするあらゆる仮想通貨取引により得た利益は「副収入」とされ、年間20万円をこえる場合は確定申告が必要となります。フリーランス、個人事業主の場合や、会社員でも年収2,000万円以上を超えている場合は副収入の額に関わらず、自分で確定申告を行う必要があります。確定申告の対象は1月1日から12月31日までの間に行われた仮想通貨の取引です。
「海外の取引所を利用するとバレないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。国税庁は調査を行っており、海外の取引所に情報提供を求めることができます。国内・海外に関わらず、すべての取引は申告するようにしましょう。
さて、課税対象となるタイミングなのですが、「仮想通貨取引所から日本の銀行口座に送金した金額が年に20万以上となった場合」という単純な話ではありません。
課税対象となるのは、仮想通貨を他の価値に交換したときに生じた利益です。日本円で換算していくらだったか、がポイントになります。具体的なタイミングは次になります👇
これが一番分かりやすいですが、例えば、1BTCを50万円で買ったけれどしばらくして1BTCが70万円に値上がりしたので売却したとすると、20万円の利益がでます。
サービスや商品を購入する際に仮想通貨で支払った際、「利益確定」となります。その購入価格が仮想通貨の取得したときの価格を上回っていたらその差額は利益とみなされます。
オンラインカジノでプレイする際の例を挙げます。例えば1月に1BTCを50万円で取得し、3月にオンラインカジノにて1BTCを入金したとしましょう。
その際に1BTCの価格が50万円、あるいはそれ以下なら課税対象ではありませんが、1BTCの価格が60万円となっていた場合、差額の10万円は課税対象になります。
こちらはちょっとばかりややこしいのですが、1BTCを50万円で買ったと想像してみてください。その1BTCが100万円に値上がりしました。このとき1ETHが5万円だったとして、100万円となった1BTCで20ETH(つまり100万円分)に交換します。
もともとは50万円で購入したものを100万円で購入したのですから、やはりここでも50万円の利益を得たとみなされます。
その他、外貨で仮想通貨を売買したとき、エアドロップで配布された仮想通貨トークンに市場価値が付いている場合や、マイニングにより利益を得た場合、PoSやステーキングの報酬を得た場合なども課税対象となります。
家族や友人への贈与や仮想通貨購入の代行など、第三者間でやり時がある場合なども課税の対象となる場合があるので専門家に相談しましょう。
上に挙げたのは一例です。他にも税金が生じるタイミングがあるので国税局の公式ページで確認してくださいね。
*エアドロップ:無料で仮想通貨トークンをユーザーに配布するキャンペーンやイベントのこと
*PoS(プルーフ・オブ・ステーク):仮想通貨の取引や送金データを正しくブロックチェーンに繋ぐための仕組みの一つで、それらの取引や送金データが正しいことを承認してくれた一般参加者に報酬が支払われる
*ステーキング:特定の仮想通貨を保有しブロックチェーンのネットワークに参加すると報酬がもらえる仕組みのこと。保有しているだけで報酬がもらえる点が仮想通貨売買と大きく異なる)
確定申告の強い味方!
こういった場合でも残念ながら国税局は損失扱いしてくれません。きっちり課税されてしまいます。仮想通貨の取り扱いには最新の注意を払いましょう。
雑所得のみならず、オンラインギャンブルのプレイなどの一時所得を含めた所得税を申告しないとどうなるのでしょう・・・?
ご想像のとおり、ペナルティが課せられます。
課される無申告加算税率は納めるべき税額により、また状況により異なります。
また加えて延滞税もかかりますし、悪質だと判断された場合は裁判になる可能性もあります。
しかし万が一確定申告を忘れてしまった場合、申告期限後一ヶ月以内に自主的に申告をすると無申告加算税は課されない場合もあります。気が付いたらすぐに申し出ましょうね。
仮想通貨を取り巻く環境は日に日に変化しています。
2022年の4月からは国内仮想通貨(暗号資産)取引所において一斉にトラベルルールが開始されましたが、各取引所の判断にゆだねられている部分もあり、今後どのような変化があるかもわかりません。
本日見てきた仮想通貨取引における税金についても、いつアップデートがあるかもしれないので、国税庁の公式ページで確認されることをお勧めします。
現在は幸い多くの確定申告サービスアプリが提供されていることですし、うまく活用して仮想通貨を活用していきましょう!